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現状の見直し : 平成24年5月更新

 ・2012.2.14 米国オバマ大統領はFAA関連の法令にサインをし、米国は2015年までに、
UAVがNAS(National Air Space)で認証されて、飛行が可能になるよう法整備をすることと
なった。
 更に4.4lbs以下のドローンについては90日以内に認可される見通しが示された。
  ; 4.4.lbs以下のドローンとは、主に電動Quad Rotorが想定されている模様である。

 ・日本においても、火山、海洋、気象、植生、災害観察、等の各種観測実験はその都度
許可され、UAV飛行が認められているが、2011.3.11東日本大震災や、原発事故に際して
はごく限られたUAV活動しかできなかった実態が示すように、まだUAV自体が社会的な
位置付けを得ておらず、航空法上の認証を受ける段階にはない。


 ・しかし、米国の動きには、欧州が直ちに呼応する状況にあり、世界は一挙にUAVの
NASフライト認可の方向になってきた。
今後、UAVのクラス分けに応じた航空法の適用内容検討が急となり、日本もその影響を
受けていくことになる。、


 なお、UAVの現状については、 下記弊記事をご参照のこと
  : 航空情報 2010 .8月号 / UAVの歴史
  : 航空情報 2012. 5月号 / 世界のUAV


 
・現在H24年度サポイン応募で、"簡易操作の垂直離着陸型小型無人機による
地上観測システムの開発" を中部経済産業局に提案予定。 この採択、展開に
よって、よりUASが普及していけば、日本の航空法上のUAS認定過程も加速され、
世界に呼応した動きが出てくると思われる。



現状        ; 平成20年6月  

 今日の世界情勢として無人機が技術的に発展し、運用も広範になってきて定着してきたことから、航空機の一分野になってきています。技術的な発展は軍事的な運用の拡大に負うところが大きいですが、その進展とともに民間分野でも災害監視、気象観測、情報収集等々に活動が広まって、定着してきており、運用の法的根拠ないし、ルールが問題になってきています。

 現在の状況では軍事利用はともかく、民間無人機は実態として高度200m以下の航空法摘要の外で運用されていますが、基本的にはその都度運用許可申請をして飛ばすことが求められています。無人機のNASフライトへの取組

 また高度200m以下でも正式には航空法管轄の空域であり、運用が一般的になっていくと問題視されてくるということと、無人機のミッションも広範囲になってきて、通常航空機が使用している空域にも進出していこうとしている現状が、無人機の航空法上での明確な定義と、運用ルールの取り決めを求める動きになっています。

無人機の航空法的位置づけ   

航空法第 条に"無操縦者航空機"というカテゴリが定義されています。
これは世界的にも同様の事情にあります。無人機は一般航空路を飛ぶことはできない状態です。

航空法での制度化の動き    

日本の現状             

 現在の航空法には、"無操縦者航空機"という表現があり無人機を意図していると思われる条項がありますが、それだけで具体的なルールへの展開はありません。QF-104Jはこの定義で飛びました。
 航空機が飛ぶには電波法的にも認められる必要があり、無人機だと海洋汚染法等の適用にも配慮を求められる可能性があります。QF-104J は防衛省機であり、国家をあげての取り組みでしたので、特例的に期間を限定して運用されましたが、その後同様の事業もないままに法令の一般化はなされていません。

 無人機は航空法上きちんと定義されていない状態であるということです。

 また、農薬散布の無人ヘリでは日本は世界をリードする運用の場であり技術的にも進んでいますが、そこでは200m以下の空域で民間が自主的に運用規則を作り遵守して安全に管理されている状態です。日本無人機協会(JUAV)はそれを明確化するとともにその延長線で一般の小型無人機適用ルールを制定しようとしていますが、まだ法改正の動きまでには至っていません。。

世界の現状             
 2006年のAUVSIロンドン大会、2007年4月のAIAA Infotech等に参加し、またその後の調査を分析してみますと、 世界的な状況も似たり寄ったりの状態で、むしろ無人ヘリで民間規定を持つ日本が進んでいるくらいに思われます。
 
 しかし昨今の法制化の要求は欧米において非常に強いものがあります。彼らのニーズは小型民間無人機もさることながら、大型軍用機やその転用機の一般航路参入の必要性により強いものがあるようです。

 米国はACCESS 5という産学官のプログラムをはじめとして、USAF自体の動きもあり、Global Hawk等を用いて国をあげて一般航路参入のための実験的アプローチをしています。ACCESS 5はすでに終了していて、現状のTCASでは問題で、360゜センサをベースにするさらに高度なSee & Avoid機能が必要と、しています。現状の航空管制システムに順応させるルールにも問題があるようです。

 欧州も呼応して各種検討を実施しており、素案がある程度まとまってきていると思われています。ただここにきて、特に2007年4月のInfotechで感じたことですが、欧米ともにその動きの歩調が落ちてきています。表向きはむしろ後退とすら見てとれますが、Globak Hawkは2003年の大西洋に続き、2007年には太平洋も飛行したとの観測もあり、一般空港適用の実績を積んでいて実態としては既に次のステップに入っていて当面困らなくなってきている、と思われます。
Global Hawk at Edward AFB NASA HPより

    
 また、米国で多用されている山火事、国境監視での無人機運用については、FAAは無人機に対しての懐疑的態度は崩してはいないものの必要に応じて対応し始めており、ルール化実現への関門はありますがこれも実態が先行し始めています。


                        
                               
NASAのホームページより
無人機航空法のあり方       


 欧米においては法制定に対しての運用側からの圧力が高まりつつあり、法制化への具体的検討の段階に入ってきていると観測されます。日本でも時機を得た動きが求められるところです。
 
無人機航空法のベースライン  


これまでの各国の動きから、期待される無人機航空法には、次のようなペースラインがあります。

1) ROA(Remotely Operated Aircraft) : 無人機運用のループには人が介在していなければいけない。
2) 現状のATCに適合し、See & Avoidでは現状以上の規定を設ける必要があり、無人機には現在位置通報等、現有人機同等の通知義務規定を適用する必要がある。
3) 無人機をクラス分けして、それぞれの適用ルールを設定することが必要

<提案>
・信頼性もクラス分けのパラメータとし、その能力に応じた活動範囲を与える。

 -大型/中型無人機: 基本的には有人機並みの10-9作動信頼性作動信頼性を要求。10-7では 運用域の限定。
 -小型無人機:  限定運用。Flight Terminationの機能、装備レベル如何で市街地運用を認可。

・各クラスに応じたFlight Terminationの規定を明確化する。
 -大型・中型無人機: 確実な不時着地選定機能付与。再構成制御機能付与。
 -小型無人機: 確実なFlight Termination (墜落)、市街地飛行認可のものはその時の対人安全性の確保。


法制化へのステップ         

 大型無人機の一般航空路参入問題については、引き続き欧米がリードして行くことになるでしょうが、日本がその渦中に入って対応を求められる時円滑な受け入れが可能なように日本としての意見を確立し、インフラを整備しておく必要があります。

 小型無人機については民間運用で実績を積み官側を法制定の流れに組み入れていくことが肝要ですが、これも米国が先行していますので、その動きを注視しながら日本としても実績を積み上げることが必要です。


 法的裏付けがないことで無人機運用を限定することなく、働きかけて認めてもらいながらその運用の枠を広げていくことが強く求められます。

                 
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2012. 5月更新
 
 2012.2.14 米国はUAV/UAS認証の方向を打ち出した。
 世界はこれに追随していくと思われ、UASの新らしい展開が始まる。

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