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平成24年5月 更新

 ; 基本的な内容の見直しはありません。
  << 一人パイロット運航機、は次の大きな目標です。 >>

 ; 再構成制御の第二ステップは、Flex.Actuation Systemの採用が
  条件ですが、通常の最適制御でいいと思っています。
  <Neural Networkは、まだFAA認証に困難がある。と思われます。>

 ; その後、UAVでの再構成制御則実験で成功したという報告が
  あります。
   - 東京大学鈴木研究室
   - 米国軍用機向け研究


目次
   - 自律制御とそのレベル
   - 自律制御の方法 
  <<Single Pilot Operation>>
   - 再構成制御の方法



自律制御


 ここでは通常の飛行を気象条件の変化や、時間的ずれ、他機の状況変化等から出てくる様々な飛行環境の変化に適応しながら最適に制御していくことを自律制御と称します。

 高レベルでは交通管制システムとの適合性も含まれ、会話的やり取りをしながら円滑に飛行管制を受けて自機の飛行管理目的も果たしていく、いわばシステムが状況を判断し、システムだけで考えて飛行行動ができる能力になります。



自律制御とそのレベル         


 自律制御/Autonomous Controlですが、この言葉は最近発展している無人機(UAV)でよく使われています。
 実体としては単に基地に戻ってきたり、Way Pointの航法をやれるだけの場合も使っているようです。

 近年では各種ミッションを遂行し、空域でのSee & Avoid機能も飛行実証の段階にありますから、字面通りの自律制御に近づいてきていますが、自動を含め制御段階に応じた自律のレベルを持っています。

 民間機に常装備が定着しているFlight Management Systemも地上設備が適切で何もなければ、離陸から着陸までやり通せる能力を持っています。

 まだ航空交通管制システムとの会話的やり取りをできるところまでは完全にはその域に達していませんが、それもその方向にあって完全な自律制御を目指しています。 
 大型無人機で活躍しているGlobal Hawkは完全Autonomous を10としますと、まだ5以下の段階のようです。



自律制御の制御方法          


 低レベルの自律制御では、シーケンス制御が主として用いられていますが実態に即したシーケンスを取れれば自律的に動くように感じられる制御が可能です。
FMSもセグメント毎には最適制御をやりながら基本的にはシーケンス制御です。

 状況変化に対応できる方法としては、適応制御や、人工頭脳的学習制御があり既に飛行実証がなされているものも多々あります。高レベルの自律制御になっていくと不可欠のものになっていきますが、いかに目標関数、評価関数を妥当性を持ってうまく設定できるかということと、状況に応じて一意的に制御できることをいかに証明していくかが課題になっています。


<<Single Pilot Operation >>                    

 航空機事故統計の要因分析によるとヒューマン・エラーが50%以上を占めています。これは3-4年前の60%以上であった時に比べると急激に改善が進んでいることであり、FAAをはじめとした航空行政が適切であったこともあるし、直接的に係わっている人たちによるCRM等を通した操作訓練等の結果によるところが大きいと思われます

 更なる改善が求められますが、抜本的で基本的な対策はいろいろなセクタに自律制御を行っていくことになります。Single Pilot Operation 概念

 これはパイロット不在でよいとする概念ではありません。あくまでパイロットを補足する完全なAlternativeとして位置付ける性格のものです。
したがってパイロットとの協調システムに対しての考え方も重要になってきますが、一人のパイロットでの機体運航を可能にするものにもなります。

 これが可能になっていくと、今あちこちで問題となっているパイロット不足問題も解消していくでしょう。
 

再構成制御                                      

 
これも30年来の表現で、DC-10が離陸直後にエンジン・ポッドを落下させ手墜落した事故を契機として検討が始まった制御の考え方で、形態変化に対して適応できる制御則を再構築できるわうにして備えていこうとする概念です。
JALの御巣鷹山事故にも、間に合っていれば、あるいは役に立っていたかもしれません。

 これは機体側の状況変化ですが、機体の操縦系統を含めた諸サブ・システムの故障は含みません。*  それはそれぞれの高信頼性サブ・システムで対処すべきこととして、例えば翼がなくなったり、舵面機能がなくなったり、またエンジン・ポッドを落としたりする空気力学的な変化で、これに対応できる制御則を状態に応じて作り出していくことを再構成制御といっています。
      * : これは私の主張で、一般的ではない面もあります。

 ここでは、日本航空宇宙工業会での耐故障飛行制御システム研究報告書からその概念を示します。


再構成制御の方法           
再構成制御の概念
 
状況変化を的確に捉えることが肝要になります。Fault Detection & Ideyfication (FDI)です。
スマート構造材適用や機体外観観察カメラ設置等で直接的に故障状態を同定する方法が早くて確実ですが、空力的に刺激を与えてその反応を完全な空力モデルと比較しながら故障状態を推定するような適応制御的な方法が一般的ですし、その過程を人工頭脳的に学習しながら把握することも既に行われています。

 故障状態がわかればそれに対応できる制御則を構築することは比較的簡単ですが、効果を挙げ得るような作動端であるイフェクタが予め用意されておく必要があります。Flexible actuation Systemですが、初期の機体設計時にはその想定がなされている必要があるということです。



自律制御での提案                        

1. Fuzzy Expert Controlの適用

 Expert Systemは、いわゆるエキスパートの行動様態をフロー・チャート化してシーケンス制御するものです。その計画にはChapin Chartが効率的に
その役割を果たします。

 しかし、設定できてないこと、想定外のことは必ず発生します。
それをFuzzy制御で補って完全なものにしようとするのが、
この制御概念です。

 See & Avoidでの計算結果例を示します(右図)。

2. ニューラル・ネットワークによる目標への最適制御
 ニューラル・ネットワークと逆ダイナミックスを組み合わせたもので、implicitなFDIと制御則の再構成マッチングを行い、Receding Horizon的な考え方による最適経路の設定で状況の変化に対応できます。


再構成制御での提案                       

1. Flexible Actuation Systemを用いた基本手法による再構成制

 
1) 第一ステップ:反射反応的状況制御
 
 機体に状況変化が起きればその影響が出るでしょう。大きければとにかく反射的にも機体姿勢を平衡に戻さなくてはなりません。 Flexible Actuation Systemは反応できるイフェクタによってその影響を打ち消し、飛行機を安定姿勢に導きます。

 
 どのイフェクタが有効であったかは記憶され、その後適用され続けることになります。
  状況変化の影響が小さく気がつかない程度であれば、次のパイロット操作入力の段階で予想に反した機体反応があらわれ、前記したと同様の方法で有効なイフェクタが選択されることになります。


 
 機体のどこがどのように故障したかのFDIは目に見えるようには行われませんが結果には対応しているということで、implicitなFDIがなされたと解釈できます。

 
2) 第二ステップ:通常自律制御(Fuzzy Expert Control)
 
 その後は、新しく構成された有効なイフェクタによって従来通りの最適制御が遂行されることになります。

2. ニューラル・ネットワーク適用による再構成制御

 逆ダイナミックス法による制御をニューラル・ネットワークで学習しながら適用させることで状況変化への対応が可能になります。
 この場合もimplicit FDIとなり、そのステップが省略されますが、その後の飛行経路最適化制御にも効果的に機能させることができて効果の高い方法となります。
 これは現在、日本航空宇宙工業会の耐故障飛行システム研究等で飛行実証試験も行われるなど、見通しが得られつつあります。


 これらの方法はその性能もさることながら、耐空性証明のやり易さにも注目する必要があり、現状では提案1の方が有効だろうと考えています。  

                 
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